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 米ロサンゼルスで続くトランプ政権による不法移民摘発の余波は、大谷翔平選手らが所属する大リーグの地元球団ドジャースにも及んでいる。ファンに多いラテン系移民からは摘発に抗議する強い姿勢を期待する声が上がるが、そこにはリスクもある。ドジャースは、難しい立場に置かれている。

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ラテン系コミュニティーが点在するロサンゼルスのボイルハイツ地区=2025年7月1日、市野塊撮影

 中南米からの移民らラテン系のコミュニティーが点在するロサンゼルスのボイルハイツ地区。広場ではギターを持った男性が音楽を奏で、通りにはタコスやテキーラの看板が並ぶ。

 ビルの壁に、青い帽子をかぶる投手の巨大な壁画がある。フェルナンド・バレンズエラ氏。ドジャースに所属したメキシコ出身の伝説的な左腕だ。1981年に新人王とサイ・ヤング賞を史上初めて同時受賞。「フェルナンドマニア」と呼ばれる熱狂的なファンが広がり、今も移民のファンとドジャースとをつなぐ象徴的な存在となっている。

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ボイルハイツ地区にある、伝説的左腕フェルナンド・バレンズエラ氏の壁画=2025年7月1日、市野塊撮影

収入の4割がラテン系ファンから

 2015年、当時のオバマ大統領は、バレンズエラ氏を移民の米市民権取得を普及する特使に任命した。昨年に死去すると、地元ファンの要望を受けて壁画が描かれた。

 スポーツ用品店を営むカーマ…

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